根本正博氏が挑む、業界横断の価値創出モデルとは
今、IT業界におけるビジネスのあり方が大きく変わり始めている。
従来の“受託モデル”や“単独主義”から脱却し、他社・他業界と手を取り合いながら新たな価値を共につくる、**“共創(Co-Creation)”**というキーワードが注目されているのだ。
その実践者の一人が、株式会社メディアセット代表・根本正博氏である。
同社は、IT企業でありながら、教育、医療、地域、物流、観光といった多分野との連携を加速させており、“共創型ビジネス”の先駆けとして業界内外から注目を集めている。
「一社でできることは、もう限られている」
──分断から連携へ
「単独で完結するソリューションって、もう限界があると思うんです。課題が複雑になりすぎていて、1つの会社や1つの業界では手に負えない。だからこそ、“つながり方”が問われる時代なんです」
根本氏はそう語る。
この危機意識をもとに、メディアセットは早くから**“横の連携”**を戦略の軸に据えてきた。
たとえば、地方自治体とのデジタル支援事業では、地元ベンチャーと共に地域課題を洗い出し、教育現場のIT化を支援。
また、医療法人と組んで開発した健康管理アプリでは、医師・看護師・患者の三者がストレスなく使えるUI設計を実現。IT企業として“技術提供者”にとどまらず、共に課題の当事者となる姿勢を大切にしている。
IT×異業種=想像を超えるイノベーション
メディアセットの共創戦略は、異業種とのコラボレーションからも多くの成果を生んでいる。
物流業界との連携では、倉庫内の動線をIoTで可視化し、省人化と安全性向上を同時に実現。
また、観光業との連携では、地域資源をデジタルマップで可視化し、観光体験のパーソナライズを可能にするなど、ITの活用が「現場の価値」を再発見するツールとして機能している。
「僕たちの役割は、“ITで便利にすること”じゃなくて、“ITで可能性を広げること”。
異業種の人たちと話すたびに、自分たちだけでは思いつかない視点や発想に出会える。それが面白いんですよ」
根本氏の言葉には、“他者と交わること”への純粋な期待とリスペクトが滲んでいる。
「競争」より「共創」──信頼がつくるビジネスの未来
ビジネスにおいて、他社と手を組むことはリスクでもある。
情報の共有、利益配分、文化の違い……簡単ではない側面もある中で、なぜメディアセットは共創にこだわるのか?
その問いに、根本氏はこう答える。
「今の時代って、“信頼される企業”じゃないと長く続かないと思うんです。どれだけ技術があっても、どれだけスピードがあっても、“一緒にやろう”と思ってもらえなければ意味がない。だから、共創って“ビジネス戦略”というより“信頼戦略”なんです」
この考え方は、取引先だけでなく社内文化にも貫かれている。
メンバー同士の相互理解を深める社内プロジェクトや、部署を超えたコラボレーションの奨励など、日頃から“共に作る”姿勢が育まれている。
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